スマホを構えてそのまま指輪を撮ると、宝石が黒っぽく沈んだり、手の甲の凹凸ばかりが強調されたりします。この現象が起きる根本的な原因は、「スマホ本体の影がリングに落ちていること」と「光の性質が合っていないこと」の2点にあります。
ダイヤモンドをはじめとする宝石は、周囲の景色を鏡のように反射する性質を持っています。真上からスマホを近づけて撮影すると、黒い端末や撮影者の服の色が石の表面に映り込み、透明感を損なってしまいます。また、部屋のシーリングライト(天井照明)直下で撮影すると、強い下向きの影が手元に落ちて肌のくすみが目立ちます。
宝石のファセット(カット面)からあふれ出る虹色の光を捉えるには、「柔らかな拡散光」をベースに「小さな点光源」を1点だけ加えるライティングが効果的です。日中の窓際、レースカーテン越しに入る柔らかな光を手元全体に回しつつ、少し離れた位置からスマホのLEDライトや小型のペンライトを斜め上からピンポイントで当ててみてください。石の奥深くまで光が届き、見違えるような強い輝き(ファイア)が画面上に浮かび上がります。
余分な影を消すためには、被写体の反対側に白い厚紙やスケッチブックを立ててレフ板代わりにするのが鉄則です。光が反射して影になった部分を自然に明るく持ち上げてくれるため、宝石の輪郭と金属アームのツヤ感がクリアに際立ちます。