敷地内を歩く際、絶対に目を凝らして観察してほしいのが独特の「博多塀」だ。豊臣秀吉による太閤町割りの際、戦火で焼け野原となった博多の街を復興させるべく、焼け焦げた瓦や土石を塗り固めて造られた耐火壁の技法がルーツとなっている。崩れかけた瓦の層が描く模様は美しく、戦国時代の逞しい復興エネルギーと意匠美を今日に伝えている。
園内の中心に配置されているのは、日本の伝統的な造園様式である池泉回遊式日本庭園だ。池の周りを歩きながら角度を変えるたびに、見える風景が一変するように計算し尽くされている。滝から注ぎ込む水のせせらぎや、水面を優雅に泳ぐ錦鯉の姿は、都市の真ん中にいることを完全に忘れさせてくれる。