客室フロアへ足を踏み入れると、廊下の絨毯にまでマンガのコマ割りが緻密に連続している。客室の扉を開けた瞬間に広がるのは、日常から完全に切り離されたビジュアルワールドだ。ホテルタビノス浜松町が提示するコンセプトは「MANGA(マンガ)」。客室タイプごとに「朝食」「銭湯」といった日常のワンシーンが、ユーモラスかつスタイリッシュなグラフィックアートとして壁一面に展開されている。
一見するとアート性が前面に出ているが、計算し尽くされた空間設計に驚かされる。ベッド下の大容量スーツケース収納スペース、壁面を有効活用した機能的なハンガーラック、ベッドサイドに集約されたUSBポートや電源コンセント。無駄を極限まで削ぎ落としながら、滞在者の動線をミリ単位で考慮したレイアウトだ。マンガアートホテルとしての強いビジュアルインパクトを持ちつつ、次世代のライフスタイルホテルとして求められる快適性を一切犠牲にしていない。