どんなに時代が移り変わろうとも、決して揺るがない王道が存在する。室町時代後期に京都で創業し、五世紀にわたり日本の菓子文化を牽引してきた株式会社虎屋はその筆頭だ。看板である羊羹の漆黒の艶、切り口の美しさ、そして小豆本来の風味を極限まで引き出した上品な甘み。まさに伝統和菓子の到達点と呼ぶにふさわしい。大切な挨拶や失敗の許されない場面で、この暖簾が放つ圧倒的な信頼感に勝るものはない。
洋の東西を分かつもう一方の雄が、銀座のモダニズムを体現し続ける資生堂パーラーだ。青い缶に美しく整列したビスキュイや、濃厚なデンマーク産クリームチーズをビスキュイ生地で包み込んで焼き上げた一口サイズのチーズケーキ。昭和から令和へと受け継がれてきたそのレシピは、どこか懐かしく、同時に驚くほど洗練されている。世代を超えて愛される普遍的な美しさが、芸能人たちの確固たる定番として選ばれ続ける所以だ。