常連客の間で密かに噂され、これまで公にされることのなかった幻のメニューが存在する。今回の独占取材でついにそのベールを脱いだのが、季節ごとに素材を厳選して創り出される限定クラフトカクテルだ。
カウンター越しに提供されたグラスからは、ローズマリーを燻したスモーキーなアロマがふわりと立ち上る。ベースとなるスピリッツに自家製のハーブ抽出液を組み合わせ、液体窒素で急速冷却されたフレッシュ果実を加えるという圧巻のメイキング。最先端の技法を駆使するミクソロジストの手さばきは、まるで洗練されたアートパフォーマンスを見ているかのようだ。
口に含んだ瞬間に弾ける果実味と、後味に残る深みのあるハーブの余韻。視覚と嗅覚、そして味覚を同時に揺さぶるこの一杯は、一度体験すると忘れられない強烈な記憶を残す。メニュー表には一切記載されておらず、オーダーするには特定の合言葉とバーテンダーとの対話が必要となるという秘匿性も、ファンの探求心を一層掻き立てている。