自治体全体のGDPの大きさだけを見て「豊かな地域・貧しい地域」を判断するのは早計です。個人の生活実感や豊かさを測る指標としては、企業所得や財産所得を個人の分配分と合算して人口で割った1人当たり県民所得がより適しています。
この1人当たり県民所得の格差を見ると、ランキングの様相は大きく変化します。トップは企業本社や役員報酬の多い東京都(約580万円)ですが、2位にはトヨタ自動車をはじめとする強力なモノづくり企業を抱える愛知県(約380万円前後)が定位置を占めます。
さらに注目すべきは、総生産ランキングでは中位・下位に位置する福井県や富山県、静岡県、群馬県などが上位に食い込んでくる点です。特に北陸地方は、電子部品や化学、繊維などの高シェア製造業が根付いており、正規雇用率の高さや共働き世帯の多さが家計所得を押し上げています。総生産の規模が小さくても、堅実な産業基盤を持つ県では、実質的な生活水準が大都市圏以上に安定しているケースが少なくありません。