ニュース解説の第一人者である池上彰氏は、こうしたメディア環境の激変について「誰もが特派員になれる時代だからこそ、受け手の読み解く力が試されている」と指摘する。画面に流れる映像がどれほど衝撃的であっても、それが撮影された角度、前後の文脈、投稿者の意図を引いた視点で見なければ、簡単に誘導されてしまう。
報道・メディア業界に求められているのは、単に刺激的な映像を買い取って放送することではない。集まった膨大な一次情報の中から事実に耐えうるものだけを精査し、背景にある社会構造を読み解く文脈の提示だ。市民が持ち寄るパズルのピースを組み立て、大きな絵を描くことこそが、現代のプロフェッショナルに課された役割と言える。