アラームより先に目が覚めてしまう。この不思議な現象のカギを握るのが、身体に刻まれた「概日リズム」と、副腎皮質から分泌されるホルモンの一種「コルチゾール」だ。
本来、人間の体内時計は起床の1〜2時間前からひそかに覚醒への準備を進めている。ウォームアップとして脈拍や体温を少しずつ上げ、身体を活動モードに切り替えるためにコルチゾールを放出する。この生理現象は「コルチゾール覚醒反応(CAR)」と呼ばれる。脳が「明日は7時に起きなければならない」と強く意識していると、その時間に合わせて正確にコルチゾールが事前分泌され、アラームの直前にパッチリと目が覚めるのだ。
だが、問題は起床時の「質」である。爽快感とともにスッキリ起きられるなら心配はない。しかし、動悸や強い不安感、嫌な汗を伴って目が覚める場合は話が別だ。それは体内時計の美しい調和ではなく、交感神経の過剰な興奮による不自然な覚醒の可能性が高い。