こうしたトラブルを未然に防ぐため、行政側も指針の整備を進めてきた。厚生労働省をはじめとする関係省庁は、ガイドラインを通じて企業側に明確なルール作りと費用の適正な負担を強く求めている。
ガイドラインでは、私物端末の業務利用を導入する際、利用条件や費用分担、セキュリティ規定を就業規則等で明文化することが必須とされる。企業が運用ルールを定めず、労働者の自己責任に依存した形で放置することは、労働法・労務管理上の義務違反と捉えられかねない。政府が策定したBYOD(Bring Your Own Device)ガイドラインにおいても、労働者の同意なしに導入を進めることは厳しく嗜められている。
だが現実の職場では、こうした行政指針の存在を知らぬまま、場当たり的な指示が飛び交うケースが後を絶たない。「みんなやっているから」「予算がないから」といった理由で、ガイドラインを無視した運用を強行する企業の姿勢が問われている。