彼の作るバラエティ番組を注意深く観察すると、そこには上質なドキュメンタリーのような手触りがあることに気づかされる。単に用意された企画をこなすのではなく、出演者の人生観や歪みがそのまま笑いへと転化していく構造だ。演者の「素」を切り取るカメラの距離感は絶妙で、視聴者はいつの間にか画面の中の人間関係に引き込まれていく。
「笑いを作る」のではなく「人間を面白がる」。この思考の転換こそが、彼の演出の核心だ。作り込まれたフィクションよりも、現実の人間が織りなす予想不能なドラマの方が遥かに面白く、そして残酷でもある。その境界線を軽やかに溶かしてみせるアプローチが、現代のテレビ界に新鮮な衝撃を与え続けている。