真屋順子さんを突然の病魔が襲ったのは、2000年12月24日のことでした。自身と夫の高津住男さんが主宰する「劇団樹間」の全国巡回公演(静岡県沼津市でのステージ)の最中、第2幕に入ったところで予期せぬアクシデントが発生します。
台詞を口にしようとした瞬間、舌がもつれてうまく言葉が出ず、左半身に急激な脱力感を覚えたといいます。明らかに身体の自由が利かなくなっている極限状態の中、真屋さんは持ち前の凄まじいプロ意識で観客に気付かせることなく、自力で最後まで出番を演じきりました。
しかし、舞台袖に引っ込んだ直後に倒れ込み、そのまま救急車で病院へ緊急搬送。下された診断は重度の脳梗塞でした。一時は意識混濁状態に陥り、一命を取り留めたものの、医師からは「二度と歩くことも、女優として舞台に立つことも難しいかもしれない」という非情な宣告を受けることになったのです。