サンリオの膨大なライブラリを語る上で避けて通れないのが、表舞台から姿を消した「幻のキャラクター」たちの存在です。公式のキャラクター一覧に名を連ねていないキャラクターの多くは、時代の変遷による需要の変化だけでなく、文化的配慮や権利関係の整理によってアーカイブの奥深くへと格納されていきました。
その筆頭格が、1979年に登場した「ビビンバ(BIBINBA)」です。原始人の少年をコミカルに描いた人気キャラクターでしたが、1980年代後半から高まった人種表現への国際的な配慮やステレオタイプ批判の議論を受け、自主的な判断のもとで商品展開が終了しました。また、1980年代のファンシーグッズ全盛期に登場した「タイニービートル」や「スポーティングベア」のように、流行の移り変わりとともに自然と役割を終えた短命キャラクターも少なくありません。
一方、サンリオとギネス世界記録にまつわる噂も後を絶ちません。「キャラクター保有数でギネス認定されているのか?」という疑問に対しては、公式な記録認定は「キャラクター保有数」そのものではなく、ハローキティ関連グッズの個人コレクション数(元警察官の郡司政男氏による世界一の所蔵数認定など)においてギネス記録が樹立されています。サンリオという企業の真の驚異は、単一の数字記録ではなく、半世紀にわたり450種類以上の世界観を破綻させずに維持・管理し続けている組織的なプロデュース能力にあるといえます。