中古市場で最も成功したモデルの筆頭として挙げられるのが、かつて通勤ラッシュの主役だった国鉄205系電車だ。軽量ステンレス車体とシンプルな界磁添加励磁制御を備えた同形式は、耐久性と保守の容易さから譲渡市場で絶大な人気を博した。その活躍は国内にとどまらず、海を渡ってインドネシア鉄道公社(PT KAI)へと大量に輸出され、ジャカルタ首都圏の通勤輸送を劇的に改善した歴史を持つ。
一方、国内の成功例として異彩を放つのが富士山麓電気鉄道6000系電車である。JR東日本から譲渡された205系をベースに、観光路線である富士急行線(現・富士山麓電気鉄道)の過酷な勾配区間に耐えうるブレーキシューの強化や、寒冷地対策、内外装のリノベーションが施された。都市部の日常を支えた通勤電車が、富士山を望む国際的観光地の看板列車へと華麗なる転身を遂げた好例と言える。