長女の聖火さんを出産した2000年当時、橋本聖子氏は現職の参議院議員であった。当時の国会には「議員の産休」に関する明確な規定すら存在しておらず、現職議員の出産自体が前代未聞のニュースとして世間を賑わせた。
「国会議員が仕事をおろそかにして出産するのか」という心ない批判に晒されることも少なくなかった。だが、彼女は折れなかった。自らの出産を機に参議院の規則改正を働きかけ、日本の政界における女性議員の産休制度確立に道を開いたのだ。アスリートとして限界に挑み続けてきた精神力は、母としての強さとなり、日本の働く女性たちの環境整備という形で実を結んだ。