GoogleやSNSで検索すると浮上する「グレンリベット12年 まずい」というネガティブなフレーズ。世界累計販売数で常にトップクラスを維持する名酒が、なぜこのような評価を受けることがあるのか。酒販関係者への聞き取りやネットの反応を精査すると、明確な3つの原因が浮かび上がってきます。
第1の要因は、ウイスキー初心者が抱く「味のイメージの乖離」です。ラフロイグやボウモアのような「スモーキーで薬品のような香り(アイラモルト特有のピート香)」をスコッチの個性として期待して口にすると、グレンリベット12年の華やかで穏やかな飲み口に対して「個性がなくて物足りない」「薄い」と誤解してしまうケースが目立ちます。
第2に、ストレートで飲んだ際に感じる開けたての「アルコールのアタック」です。抜栓直後のボトルは香味が閉じており、アルコールのツンとした刺激が前面に出やすくなります。ウイスキー愛好家の間では「開栓して2〜3週間ほど置き、ボトル内に空気が入って酸化が進むことで、驚くほど芳醇なバニラや青リンゴの香りが花開く」という現象が知られていますが、一口目で判断したユーザーが低評価を投稿してしまう傾向があります。
第3は、氷が溶けすぎた水割りや薄すぎるソーダ割りによる「香りの希釈」です。スペイサイドモルトの繊細なアロマは、過度な氷の冷却や大量の割り材によってかき消されてしまいます。適切な比率で作られていないハイボールを飲んだユーザーが「味がしない」と評してしまうことが、ネット上の悪評を助長する一因となっています。