劇中で一際大きなインパクトを残したのが、主演の田村正和と犯人役を演じた木村拓哉による息をのむような演技合戦である。物腰柔らかく追いつめる古畑に対し、若さと傲慢さを武器に対抗する林。二人の間で繰り広げられる会話劇には、無駄なセリフが一切存在しない。
特にファンを驚かせたのは、古畑が感情を露わにして犯人の頬を叩くシーンだ。常に紳士的な古畑が手を出したという事実は、この事件が持つ異様な緊張感を象徴している。さらに、マッチのすり方や無線機の操作、時間のズレといった細部には緻密な伏線が張り巡らされており、再視聴するたびに新たな発見をもたらす構造となっている。