かつて映画の撮影やプロモーションでロサンゼルス、ニューヨーク、東京を忙しなく行き来していた渡辺謙が、日々の生活の拠点として定めたのが長野県・軽井沢町である。2019年頃から準備を進め、現在では完全に住民票も移して東京と軽井沢の二拠点生活から「軽井沢本拠地」の暮らしへと舵を切った。
彼が選んだ自宅は、豊かな木々に囲まれた閑静なエリアに佇むこだわりの木造住宅だ。過度な華美さを排し、薪ストーブや開放感あふれるウッドデッキを備えた設計となっており、日課として薪割りや庭の手入れ、家庭菜園での野菜作りに精を出しているという。地元住民の証言によると、「スーパーやカフェでキャップをかぶり、愛犬を連れて気さくに挨拶を交わす姿が日常的に見られる」といい、ハリウッドスターのオーラを脱ぎ捨てた自然体の暮らしを満喫している。
移住を決断した大きな理由は、「人生の後半戦における時間の質と自己の再生」にある。大病を克服し、波乱万丈な人間関係を経験してきた渡辺謙にとって、四季の移ろいを肌で感じ、鳥の声で目覚める軽井沢の環境は、心身のバランスを保ち、役者としての創造力を研ぎ澄ますための不可欠な聖域となっている。