民法第4条が定める成年年齢が18歳となった際、多くの権利が18歳へと前倒しされました。選挙権の行使、パスポートの10年用取得、ローン契約の締結などがその代表例です。これらと同様の感覚で「酒やタバコも当然18歳から飲めるはずだ」と早合点してしまう若年層が散見されますが、これは完全な事実誤認です。
国会で成年年齢引き下げ法案が議論された際、飲酒年齢引き下げに関する議論も徹底的に行われました。自由と自己責任の原則を重視し「18歳成年である以上、飲酒も自由化すべきだ」との見解が一部にあったのも事実です。しかし、法務省の法制審議会をはじめ、文部科学省、警察庁、さらには日本外科学会や日本精神神経学会など主要な医療関係団体が猛烈な反対運動を展開しました。
議論の末に出された結論は、権利の拡大と身体的リスクの管理は明確に別次元として分けるという方針でした。契約行為などの社会的な権利・責任は18歳の判断力で担えるとしても、後述する脳や身体機能の発達は18歳時点で到底完成していない現実が立法事実として重く受け止められた結果です。