かなやま湖の特徴は、何と言ってもその水深にある。浅場で群れを狙う一般的な湖とは異なり、ここでは水深10メートルから時に20メートル近いディープエリアを攻める場面が少なくない。深場に潜む群れは警戒心が薄い一方で、仕掛けを落とし込むスピードと、微かな糸フケを見逃さない集中力が要求される。
手持ちのスマートフォンと連動する超小型ワイヤレス魚群探知機を穴に沈め、液晶画面に現れる赤い影を追う。魚群が底から1メートルの層に突っ込んできた瞬間、極細のグラスソリッド穂先が数ミリだけ揺れる。間髪入れずに手首のスナップだけでアワセを入れると、電動リールの巻き上げ音とともに、銀色に透き通る美しい魚体が氷穴から飛び出した。ハイテク機器で索敵し、最後は人間の研ぎ澄まされた触覚で掛ける。この知的な駆け引きに、ベテラン釣り師たちも熱中し続ける。