ビール瓶の王冠(クラウン)は、JIS規格(日本産業規格)および国際標準により、21個のヒダで瓶口のガラスリングを強力に締め上げています。瓶内の炭酸ガス圧(約0.2〜0.35MPa)を長期間密閉するために設計されているため、中途半端な力では外れない構造です。
開栓に失敗する主な原因は、次の2点に絞られます。
- 爪の掛かりが浅い(滑脱の発生):爪が王冠の縁に数ミリしか掛かっていない状態で力を加えると、金属の縁だけが外側にめくれ上がり、引っ掛かりを失った王冠が瓶口に残ってしまいます。
- 手首を横にねじっている(力の分散):垂直方向にベクトルが向いておらず、左右にねじるように力を入れると、瓶口のガラスを削る危険がある上に力が逃げてしまいます。
現場のバーテンダーが実践する失敗しないコツは、「ボトルネックを握る利き手とは逆の手」の使い方にあります。瓶の首をしっかり掴み、その手の親指で栓抜きのヘッド(支点)を王冠の上からギュッと押さえつけます。これにより、どれほど力を加えても支点が浮き上がらず、爪が絶対に外れなくなります。あとは利き手で柄をクイッと起こすだけで、王冠の変形を防ぎつつ一瞬で外すことが可能です。