1974年の暮れ、中村雅俊は『ふれあい』の大ヒットを引っ提げて『第25回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしました。新人俳優が瞬く間にトップ歌手として日本最高峰の舞台に立った瞬間であり、その後も幾度となく紅白のステージで同曲を披露することになります。
デビューから半世紀以上が経過した2026年現在も、中村雅俊の精力的な音楽活動は続いています。70代を迎えた現在のステージで歌われる『ふれあい』は、20代の頃の瑞々しく青さの残る歌声とはまた異なる、年輪を重ねた人間味と芳醇な深みを醸し出しています。
コンサート会場では、イントロの哀愁あるギターフレーズが鳴り響くだけで満員の客席から割れんばかりの拍手が湧き起こります。東日本大震災の復興支援をはじめ、人々の悲しみや困難の場にも寄り添い続けてきた中村の歌声は、今や一人の俳優の持ち歌という枠を超え、聴く人それぞれの人生の記憶と結びついた希望の灯火となっています。