出費を極限まで削るため、レンタカーで軽トラックを借りて友人と運ぶ「完全自力運搬」を画策する人も目立ちます。ネット上では「1万円以内で済んだ」という体験談が散見されますが、現場のプロは「リスクと隠れコストを合算すると、全く割に合わない危険な賭け」と警鐘を鳴らします。
横積み厳禁!冷媒ガスとオイル逆流による「冷蔵庫即死」の恐怖
軽トラックの荷台はアオリの高さが低く、背の高い冷蔵庫を立てたまま固定するには相応の技術が要ります。そのため、安易に「横に寝かせて運ぼう」とする人が後を絶ちません。しかし、冷蔵庫を横倒しにして車載することはメーカーが固く禁じています。
内部のコンプレッサーに充填されている潤滑オイルが冷却配管へと逆流し、目詰まりを起こして冷却機能が永久に失われる恐れがあるためです。さらに、走行中の振動によって内部スプリングが脱落し、異音や故障の原因にもなります。運搬後に半日放置してから通電したとしても、壊れるリスクは払拭できません。
床・壁の破損補償とレンタカーの諸経費シミュレーション
自力運搬にかかる実費を緻密に試算すると、実はそこまで安く収まらない現実に直面します。
- 軽トラック半日レンタル料+免責補償:約6,000円〜8,000円
- ガソリン代:約1,000円〜2,000円
- 家電保護用のキルティング毛布や固定用ラッシングベルトの購入・レンタル:約2,000円〜3,000円
- 手伝ってくれた友人への謝礼・食事代:約5,000円
これらを合計すると、簡単に1万4,000円〜1万8,000円近くに達します。これは赤帽やくらしのマーケットのプロに依頼する費用とほぼ同額です。さらに、運搬中に新居の階段の角やフローリングをぶつけて傷つけた場合、賃貸退去時や入居時に数万円から十数万円の修繕費用を請求されるリスクを背負うことになります。プロであれば「運送業者貨物賠償責任保険」でカバーされますが、素人の自力作業では全額自己負担となる点を冷静に計算すべきです。