SNSやQ&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)を検証すると、現代のレストランシーンにおいてもフィンガーボールにまつわる戸惑いや焦りの声は数多く確認できます。
「結婚記念日で訪れた高級フレンチで、透明な器にレモンが入ったものが出てきて一瞬固まった」「手を洗うものだと知ってはいたが、どこまで指を浸していいのか分からず震えた」「隣のテーブルの人が口をつけそうになって同伴者が慌てて止めていた」など、非日常の空間ゆえの緊張感がリアルに綴られています。
都内の老舗グランメゾンで20年以上のキャリアを持つメートル・ドテル(給仕長)に現場の実態を取材すると、近年の運用トレンドについて次のような実態が浮かび上がります。
「昭和や平成初期に比べ、2026年代半ばの現代フレンチでは、あらかじめ厨房で食べやすく骨を外したり、フィンガーフードの後に温かい上質なおしぼり(手巾)を差し替えるスタイルが増えています。しかし、クラシックな正統派フレンチやジビエ料理、伝統的な魚介コースでは今なおフィンガーボールが現役です。もしお客様が使い方に迷われても、私どもサービススタッフがさりげなくお声がけするか、自然な流れでアシストいたしますので、過度に緊張される必要はまったくありません」(都内グランメゾン関係者)
日本国内では「おしぼり」の文化が深く根付いているため、水に直接指を入れる行為そのものに戸惑いを覚える人が多いのも自然な反応です。