安価で大量生産される工場パンと、時間と手間をかけたクラフトパン。日本のパン市場は今、かつてないほど明確な二極化を進めている。2026年のトレンドを象徴するのは、「コスト優先」と「こだわり優先」の割り切りだ。
物価高が続く中で、日常の食卓を支える100円台の工場パンは生活防衛の強い味方であり続ける。そこでは効率化を支える添加物の存在が不可欠だ。一方で、週末の楽しみや健康意識の高い層に向けたブティック系ベーカリーでは、発酵時間を贅沢に使ったハード系パンが支持を集める。消費者は添加物の有無を絶対的な悪と捉えるのではなく、自らのライフスタイルや予算に応じて選択肢を使い分ける成熟した態度を獲得しつつある。