自然界の配色に魅了された人間たちは、やがてこの色を文化と産業の中心へと引き込みました。歴史的な転換期となったのが19世紀のヴィクトリア朝イギリスです。
当時、トルコ石(ターコイズ)をあしらったジュエリーが上流階級の間で爆発的なブームを巻き起こしました。特にコマドリの卵に似た澄んだ青緑色の宝石は「愛と誠実さ」のシンボルとされ、花嫁への贈り物や記念品として貴族たちに買い求められました。
チャールズ・ルイス・ティファニーの決断
1845年、アメリカの宝飾店ティファニーの創業者であるチャールズ・ルイス・ティファニーは、自社製品のカタログ「ブルーブック」の表紙色として、このロビンズエッグブルーを選択しました。格調高く、一目で他社と識別できる高貴な色合い。それが採用の理由でした。
この決断が、後に世界で最も有名なブランドカラーの一つ「ティファニーブルー(Pantone 1837)」の誕生へと繋がります。今日でも同社のギフトボックスに使われるあの特別な青は、コマドリの卵が持つ歴史的イメージを直接受け継いでいます。