1977年、27歳の若さで『笑点』の大喜利レギュラーメンバーに抜擢された楽太郎。当初は「インテリ・爽やか青年」としての役割を担っていましたが、百戦錬磨のベテラン勢がひしめく中で次第に埋没しかける危機感を覚えます。そこで自ら編み出した突破口が、知的な雰囲気を逆手に取った「腹黒キャラクター」でした。
特に視聴者を熱狂させたのが、終生のライバルであり大恩人でもあった桂歌丸との罵倒合戦です。「ジジイ」「ハゲ」と容赦なく噛みつく楽太郎に対し、歌丸が「座布団全部持っていけ!」と激怒する掛け合いは番組の名物となりました。しかし、この丁々発止のやり取りは、舞台裏での強固な信頼関係があってこその演出でした。
楽太郎は後年、「歌丸師匠という完璧な受け手・引き出し役がいたからこそ、自分は思い切り悪役を演じることができた」と語っています。私生活でも互いの健康を気遣い、落語の未来について夜を徹して語り合う仲でした。2018年に歌丸が亡くなった際、楽太郎が涙ながらに語った「最後に一言言わせてください。ジジイ、早すぎるんだよ!」という別れの言葉は、2人の間に流れていた深い愛を象徴する名場面として語り継がれています。