この痛切な歌詞に息を呑むような美しい旋律を与えたのが、メインボーカルでありコンポーザーの奥居香(現・岸谷香)です。奥居は富田から渡された涙の跡が残る歌詞カードを受け取った瞬間、その切実さに心を激しく揺さぶられたと語っています。
ピアノの前に座った奥居は、富田の痛みを代弁するかのように自然とメロディを紡ぎ出し、わずか短時間で哀愁漂うバラードを書き上げました。過剰な装飾を削ぎ落とし、言葉の一つひとつがストレートに耳へ届くメロディラインは、バンドサウンドでありながらシンガーソングライター的な繊細さを併せ持っています。
レコーディング現場では、奥居の情感豊かなハスキーボイスと、メンバー全員の研ぎ澄まされた演奏が見事に融合。失恋の痛みを昇華させた奇跡的なテイクが完成しました。