高校の地学や大学の気象力学、気象予報士試験において、コリオリの力は定性的なイメージだけでなく定量的な数式として扱われます。単位質量あたりの空気に働くコリオリの大きさは、以下の公式によって一意に導き出されます。
コリオリの力の公式:
\[ F = 2 m v \Omega \sin\phi \]
ここで、\( m \)は物体の質量、\( v \)は移動速度、\( \Omega \)(オメガ)は地球の自転の角速度(約\( 7.292 \times 10^{-5} \, \mathrm{rad/s} \))、そして\( \phi \)(ファイ)は測定地点の「緯度」を表します。気象学の実務計算では、風速以外の定数部分をまとめてコリオリパラメータ(\( f = 2\Omega\sin\phi \))と定義します。
この式から明確に読み取れる重要な物理的事実は、「緯度(\( \phi \))によってコリオリの力の強さが劇的に変化する」という点です。赤道(緯度0度)では\( \sin 0^\circ = 0 \)となるためコリオリの力は完全に消失し、極点(緯度90度)で最大値に達します。赤道直下で台風がほとんど発生しないのは、渦を巻くためのコリオリの力がゼロだからに他なりません。
なお、自転による「遠心力」と「コリオリの力」は混同されがちですが、遠心力が「回転軸から外向きに静止物体にも働く力」であるのに対し、コリオリの力は「回転座標系の中で移動している物体にのみ、速度に比例して働く力」という決定的な相違点があります。