偕楽園の創設者である徳川斉昭は、藩内の人々が共に楽しむ場としてこの園を開いた。その精神を象徴する好文亭は、斉昭自らが設計したとされる風雅な建築物だ。館内には四季折々の花々が描かれた襖絵や、当時の知恵が詰まった膳配用の昇降機など、細部にまでこだわりが詰まっている。
一方、偕楽園と対をなす存在として設立された弘道館は、文武両道を掲げた水戸藩の教育の要であった。偕楽園が「休養の場(陽)」であるならば、弘道館は「学問・修練の場(陰)」にあたる。両者を併せて巡ることで、単なる花見にとどまらない水戸藩の深い歴史的文脈と斉昭の美意識を深く理解できるだろう。