こうした「人間中心」の経営アプローチは、一部の特色ある中小企業だけにとどまらず、日本を牽引する巨大企業へも波及している。例えばトヨタ自動車をはじめとする大手製造業では、作業現場での過度な肉体負担を極限まで減らす設備改善や、一人ひとりのキャリア自律を叶える研修制度が強力に推し進められている。
トヨタの代名詞とも言える「改善(カイゼン)」の姿勢は、製造ラインの効率化だけでなく、社員の働きやすさや働きがいの改善にも向けられている。企業の規模や業種を問わず、現場で働く人間の声に謙虚に耳を傾け、その個性を尊重する風土を作ることが、激動の時代を乗り切るための最強の経営戦略となっている。