こうした破局噴火のリスクは、近年メディアでも大きくクローズアップされている。代表的なのが、自然災害・科学報道の金字塔となったNHKスペシャル『巨大危機 MEGA DISASTER』シリーズだ。
番組では、最新のシミュレーションCGと国内外の火山学者への綿密な取材を通じて、カルデラ噴火がもたらす「文明の断絶」を克明に描いた。現在もNHKオンデマンドなどで視聴され続けているこのドキュメンタリーは、単なるパニックの煽動ではなく、科学的事実に基づいた危機管理の重要性を社会に突きつけている。
地震や台風と異なり、カルデラ噴火は発生頻度が極めて低い代わりに、一度起きれば国家の枠組みそのものを破壊する「ロー・プロバビリティ、ハイ・インパクト(低頻度・巨大結果)」の極限災害である。従来の防災の枠組みでは捉えきれないこの巨大危機に対し、科学報道が果たすべき役割はかつてないほど重くなっている。