こうした個人の躍進を後押しすべく、業界全体のビジネスモデルも大きく変貌を遂げている。特に最大手の吉本興業は、所属芸人の海外進出に向けたバックアップ体制を数年前から本格化させてきた。
従来の「国内で成功した芸人が記念的に海外公演を行う」というモデルは終焉を迎えた。現在は、海外のコメディフェスティバルへの参加支援や、現地のプロデューサーとのネットワーク構築、さらには最初から海外市場をターゲットにしたコンテンツ開発が加速している。日本の笑いの伝統である「ボケとツッコミ」のシステムを海外のリスナーにどう翻訳し、浸透させるか。プロダクション主導の戦略的アプローチが、個人の才能を世界的ムーブメントへと昇華させるエンジンとなっている。