駅から少し足を延ばすと、突如として鮮やかな朱塗りの楼門が姿を現す。東京駅の設計でも知られる近代建築の巨匠、辰野金吾が手がけた武雄温泉楼門だ。釘を一本も使わずに建てられたという伝統的な意匠と、どこか異国情緒を感じさせる独創的なフォルムは、100年以上の時を超えてなお強烈な存在感を放っている。
天井を見上げると、そこには東京駅の南北ドームにある干支の彫刻と対をなす、4つの干支が密かに刻まれている。歴史のミステリーと建築美が交錯するこの場所は、単なる観光地を超えた文化的遺産として、訪れる者の好奇心を刺激してやまない。