チャウシェスク体制が崩壊した1989年、世界中のメディアがルーマニアの孤児院の惨状を報じた。骨と皮ばかりの子供たち、不衛生なベッド、暴力と放置。あれから36年が経ち、彼らは社会の片隅でひっそりと大人になった。しかし、子供時代に受けた深刻なネグレクトの影響は、彼らが年齢を重ねるにつれて深刻な健康被害となって現れている。
近年の追跡調査によると、この世代は一般的な同年代と比較して、心血管疾患や糖尿病などの慢性疾患の発症率が異常に高い。慢性的なストレス環境が幼少期のDNAに刻み込まれ、免疫システムを狂わせた結果だと専門家は指摘する。彼らの身体は、実年齢よりもはるかに早く老い進んでいるのだ。