完璧に整えたご祝儀袋を、スーツの内ポケットやバッグから剥き出しのまま取り出す行為は慎行しなければならない。運搬中の汚れや水引の変形を防ぎ、清らかな状態でお渡しするために不可欠な道具が袱紗(ふくさ)である。
慶事には赤、ピンク、エンジ、ゴールドなどの暖色系、あるいは慶弔両用として重宝される濃紫色の袱紗を使用する。包む手順は、袱紗をひし形に広げて中央右寄りにご祝儀袋を置き、左、上、下、右の順に折り重ねる「右開き」が慶事の作法だ。受付に到着したら、まず一礼して「本日はおめでとうございます」とお祝いを述べ、袱紗からご祝儀袋を取り出す。袱紗を手早く畳んで台座代わりに敷き、その上にご祝儀袋を受付係から文字が読める正面の向きに回転させて両手で差し出す所作こそが、大人の参列者にふさわしい立ち振る舞いといえる。