結論から述べると、コンタクトレンズを処方箋なしで購入する行為、および販売する行為は一切の違法性がありません。多くの消費者が「法律で処方箋の提出が義務付けられている」と誤解していますが、医薬品医療機器等法(薬機法)において、コンタクトレンズ販売時に医師の発行する処方箋(正確には「指示書」)の提出を義務付ける明文規定は存在しません。
コンタクトレンズは心臓ペースメーカーや人工関節と同じ「高度管理医療機器(クラスⅢ・Ⅳ)」に指定されています。不具合が生じた場合に人体へのリスクが高い製品分類ですが、医薬品のように「医師の処方箋がなければ調剤・販売してはならない」という法的拘束力は課されていないのが実情です。厚生労働省の通知でも、医療機関の受診を推奨しつつも、販売業者に対する指示書の回収を法的義務とは定めていません。
では、なぜ一部の店舗や眼科併設店では頑なに処方箋の提示を求めるのでしょうか。それは法律の規制ではなく、販売店や業界団体の自主規制・販売方針によるものです。目の健康を守る医療的な観点から「医師の確認を条件とする」安全基準を自社で設けているか、あるいは「利便性を優先して購入者の自己責任に委ねる」かという、店舗ごとのポリシーの違いに過ぎません。