物語の屋台骨を支えるのは、名実ともに日本を代表する名優・役所広司だ。今回彼が演じるのは、かつて腕利きの剣客でありながら、今はうらぶれた蕎麦打ち職人として生きる謎多き男。クランクイン直前まで蕎麦打ちの修行に没頭し、職人の立ち居振る舞いを完全に身体へ染み込ませたという。
現場からのリークによると、緊迫した立ち回りの最中に三谷監督が突如アドリブを要求。役所が繰り出した絶妙な返しに、現場のスタッフ全員が吹き出し、テイクが幾度も中断したという微笑ましい一幕もあった。共演者たちも「役所さんの緩急ある芝居に引っ張られ、全員がゾーンに入っていた」と口を揃える。