アニメ化のプロジェクトが本格化した際、ファンの関心は「どの設定をベースに映像化するのか」に集中した。監督を務めた中重俊祐をはじめとする制作陣は、綱渡りのような判断を迫られることになる。最終的にアニメ版では、グローバル展開を前提として韓国オリジナルの設定(ソン・ジヌ、ソウル舞台)をメイン軸としつつ、日本国内のテレビ放送版ではローカライズ版(水篠旬、東京舞台)の吹き替え・字幕を提供するというハイブリッド構造を採用した。
なぜ日本版で設定が変わったのか。その真相は、グローバルなアニメビジネスにおけるリスク管理とエンターテインメントとしての普遍性の追求にある。全世界の視聴者に提示するアニメーションとして、特定の国に対する露骨な政治的感情や蔑称は、作品価値を毀損しかねない。そのためアニメ制作陣は、原作の「済州島編」に存在した過剰な反日的ニュアンスを精緻に削ぎ落とした。ハンター同士の政治的駆け引きや人間ドラマ、そして脅威に対する共闘というエンタメの本質へとストーリーを再構築したのである。炎上の原因となった蔑称や極端な悪役描写はマイルド化され、純粋なバトルエンターテインメントへと昇華された。