今日私たちが当たり前のように享受しているインターネット接続は、長年にわたる理論と実務の積み重ねの上に成り立っている。ネットワーク工学の黎明期、インターネットの父と称されるヴィント・サーフらが提唱したTCP/IPプロトコル群は、データパケットが世界中を巡る基本的な仕組みを定義した。
その後、シスコシステムズをはじめとするエンタープライズ向けの通信機器ベンダーが巨大なバックボーンルーターやスイッチ技術を発展させ、現代の大容量通信の土台を築き上げた。そして現在、世界の通信機器産業はこれまでにない急速な変貌を遂げつつある。
特に注目を集めているのが、高度数千キロの低軌道衛星群を活用するスターリンクプロジェクトに代表される次世代通信システムだ。従来の地上光回線や基地局に頼らないこのシステムでは、専用のアンテナ一体型モデムと独自のWi-Fiルーターが対になって稼働し、山間部や離島、災害現場でもギガビット級の通信を提供している。通信機器の役割分担は、地球規模の高度な技術革新とともに進化を続けている。