実際に渋谷の路上や公園で暮らしていた当事者、そして夜間の支援活動を続けるボランティアへのヒアリングからは、華やかな再開発の陰で交錯するリアルな心情が浮かび上がってきます。
長年渋谷周辺で生活していた元路上生活者の男性(60代)は、当時の記憶を次のように語っています。
「宮下公園にいた頃は、仲間同士で情報交換をして、炊き出しや仕事の融通をつけていた。立ち退きになってからは居場所がなくなり、夜になると警備員に起こされる毎日だった。今はアパートに入れたが、あの頃の仲間がどこでどうしているのか分からないのが一番寂しい。」
また、渋谷駅周辺で夜間の見守り活動を続ける支援スタッフは、現場の最新状況についてこう分析します。
「公園が綺麗になり、商業施設が増えたことで、街全体のクリーンさは向上しました。しかし、困窮している人がいなくなったわけではありません。駅のコンコースの片隅や、再開発工事のフェンスの隙間など、より人目につかない暗がりへと追いやられているのが現状です。」