ポージングの歴史は、古代ギリシャの彫刻や19世紀末のストロングマン文化にまで遡る。しかし、現在の解剖学的な精密さを備えたダブルバイセップスが確立されたのは、20世紀後半のゴールドジム黄金期であった。
アーノルド・シュワルツェネッガーが持ち込んだ美的革新
1970年代、アーノルド・シュワルツェネッガーはフロント・ダブルバイセップスに独自の美学を持ち込んだ。彼は単に腕を曲げるのではなく、上腕二頭筋の長頭を強くひねり込み、圧倒的な「ピーク(高さ)」を作り出してみせた。同時にウエストを極限まで引き締め、広背筋を大きく羽のように広げることで、古典的なVシェイプを世界中に印象付けたのである。
時代が下り、1990年代のロニー・コールマンやドリアン・イエーツの時代に入ると、ポーズの役割は「美しさ」から「圧倒的な筋量(マス)と密度の提示」へと変化した。特にリア・ダブルバイセップスにおいては、背中のクリスマスツリー(胸腰筋膜周辺の縫い目のような筋膜)やハムストリングスのストリエーション(筋線維の条痕)までを視覚化する過酷な技術へと昇華した。