本作で日本中の視聴者と業界関係者を驚愕させた最大の要因は、清野菜名自らが演じきったスタントなしのアクションシーンです。多くの学園ドラマやアクション作品では危険な立ち回りやアクロバットにスタントダブル(代役)を立てるのが通例ですが、清野菜名はほぼすべての立ち回りを自らの身体一つで完遂しました。
赤坂理子の格闘スタイルは、相手の力を利用して制する合気道や古流武術をベースにした華麗な体術です。大柄な男子不良数人を相手に、流れるような身のこなしで腕を取り、宙を舞わせる関節技や回転足払いは、一切の嘘がない本物のスピードとキレを伴っていました。
この驚異的なパフォーマンスを支えたのは、彼女が培ってきた独自の経歴と並外れた運動神経です。中学生時代から陸上競技の走り高跳びで全国レベルの実力を誇り、高校時代には映画監督・園子温作品やアクション監督・坂口拓氏のもとで、過酷なアクション養成トレーニングを積み重ねてきました。蹴り技の打点、受け身の正確さ、パンチのインパクトフォームに至るまで、長年の鍛錬によって叩き込まれた基礎があったからこそ、福田組の長回し撮影でも一切ブレないリアリティを生み出すことができたのです。