2014年の誤報撤回以降、インターネット上の言論空間やSNSでは、朝日新聞に対する厳しい追及が続きました。特に言論界やネットユーザーの間で強く批判されたのは、「誤報そのもの」以上に「明らかな疑問が呈されていたにもかかわらず、30年以上も訂正を拒み続けた組織的姿勢」でした。
ネット上の主な反応や世論の論点は、以下の3つに集約されます。
- 国益と名誉の毀損に対する批判:「虚偽の証言を放置した結果、国際社会で日本国民全体が謂れなき非難を浴びることになった」とする怒りの声。
- 報道の非対称性への疑問:「他者や政府の不祥事は厳しく追及する一方で、自社の誤報に対しては身内に甘い検証にとどまった」というジャーナリズム倫理への不信感。
- 名誉毀損裁判の行方:植村隆元記者が記事を「捏造」と批判したジャーナリストらを相手取って起こした複数の名誉毀損訴訟において、最高裁はいずれも「公正な論評の範囲内」として植村氏側の請求を棄却しました。これにより、司法の場でも当時の報道姿勢に対する批判的正当性が認められる形となりました。
朝日新聞社内では現在、ファクトチェック専門部署の拡充や、社外の有識者で構成されるパブリックエディター制度の運用など、再発防止策が講じられています。しかし、一度失墜したブランドイメージの完全な回復には至っておらず、デジタル時代におけるニュースの受容と発信に極めて重い課題を突きつけています。