一般企業における出向と、メガバンクにおける出向には天と地ほどの差がある。銀行において、若手や中堅のうちに子会社へ出向することは、事実上の「キャリアの終焉」を意味することが少なくない。特に「片道切符」と呼ばれる出向は、二度と本店の土を踏めないことを意味する。
半沢が送られた東京セントラル証券は、銀行から見れば格下の子会社だ。プロパー社員(生え抜き)との軋轢も避けられず、業務のスケールも小さくなる。頭取の狙いは、半沢の頭を冷やし、これ以上のトラブルを防ぐことにあった。出向は、単なる罰則ではなく、銀行員としての牙を抜くためのシステムなのだ。