現在でこそ「蹴球=サッカー」「闘球=ラグビー」と明確に区別されていますが、歴史の初期段階ではどちらも同じ「蹴球」ファミリーとして扱われていました。19世紀の英国において、手を使うことを認めたラグビースクール由来のルールと、手を使わないロンドン各クラブの統一ルール(アソシエーション式)に分裂した歴史が、日本にもそのまま持ち込まれたためです。
日本ではこの2つを区別するため、以下のような呼び分けを行っていました。
- ア式蹴球(アソシエーション式フットボール):現在のサッカー
- ラ式蹴球(ラグビー式フットボール):現在のラグビー(後に「闘球」と命名)
- 米式蹴球(アメリカンフットボール):現在のアメフト(後に「鎧球」と命名)
激しい肉弾戦を伴うラグビーにはやがて「闘球(とうきゅう)」という独自の漢字が定着し、プロテクターを着用するアメリカンフットボールには「鎧球(がいきゅう)」の字が当てられました。その結果、本家であるア式蹴球が単独で「蹴球」の名を代表する形へと収束していったのです。