興味深いのは、スマホのフリック入力で育ったZ世代やα世代の動向だ。両手親指を高速で動かすことに慣れ親しんだ彼らが、あえて手書き入力やデジタルペンシルを選ぶケースが急増している。SNSの投稿作成や日記アプリ、友人へのメッセージ送信において、手書き入力による「温かみのあるフォント変換」や「手書きのニュアンスを残したテキスト表現」がブームとなっているのだ。
「フリック入力は仕事や作業という感じがするけれど、ペンで書くのは自分の気持ちを直接画面に注ぎ込んでいる感覚がある」と、都内の大学に通う学生は話す。効率性だけを追い求める時代から、入力という行為そのものに自身の感情や個性を乗せる時代へ――手書きの持つ情緒的な価値が、若い世代によって再発見されている。