この独創的な世界観を生み出しているのは、パティシエとしての確かなキャリアと並外れた美学を持つシェフ・田中俊大氏だ。かつて自由が丘などで名を馳せた彼が目指すのは、従来の喫茶店パフェとは一線を画す、一瞬の美と儚さを切り取ったアシェットデセールの最高峰である。
田中氏の仕事には一切の妥協がない。フルーツの熟成度合いを日単位で見極め、その日の気温や湿度に応じてグラニテの結晶の大きさまで微調整する。皿の上に配置される要素の一つひとつに明確な必然性があり、無駄な装飾は一切存在しない。彼の指先から生み出される造形は、甘党のみならず、現代アートのコレクターをも唸らせる理由がここにある。