豊かな木の温もりを求めてレッドシダー天井を採用したにもかかわらず、引き渡し後に後悔を口にする施主が少なくありません。取材で見えてきた失敗の要因は、主に「色のばらつき」「空間の圧迫感」「メンテナンスの手間」「コストの膨張」という4つのポイントに集約されます。
第1の理由は、「色ムラ(濃淡差)のコントロールが極めて難しい」点です。レッドシダーの最大の魅力である赤褐色から淡い黄色までのグラデーションは、自然素材ゆえに一枚ごとに色が全く異なります。カタログやモデルハウスの整った配色をイメージしていると、現場で施工された際に「白っぽい材ばかりが集まって安っぽく見える」「黒褐色が集中して暗い印象になった」というミスマッチが起こりがちです。現場での仮並べ(仮配色の確認)を怠ると、取り返しのつかない見た目の違和感につながります。
第2のデメリットは、「天井高が低く感じられ、部屋が暗くなりやすい」ことです。天井に濃色系の無垢材を張ると視覚的な重心が下がり、空間が引き締まる一方で、一般的な白いビニールクロスに比べて圧迫感を生み出します。特に天井高が2,400mm標準の住宅や、開口部(窓)が小さく自然光が入りにくい間取りでは、部屋全体が重苦しい雰囲気に陥るリスクがあります。
第3に、「日常的なメンテナンスと経年劣化への心理的負担」が挙げられます。天然木であるレッドシダーは湿気や乾燥によって伸縮し、季節によってわずかな隙間が生じることがあります。また、無垢材ゆえにホコリの付着や紫外線による変色が避けられず、「定期的なお手入れを続けられるか不安」という施主の声も根強く存在します。
そして第4の理由は、「予算を圧迫するイニシャルコストと修繕費用の高さ」です。天井全面に無垢羽目板を張る工事は、材料費だけでなく熟練の大工による手間工数がかかるため、最終的な見積もりを見て愕然とするケースが目立ちます。