救急車の出動件数は年々増加を続け、過去最多ペースを更新し続けている。総務省消防庁が公表した直近のデータによると、年間出動件数は700万件を突破した。この膨大な数字が、現行の救急医療体制を破綻の危機へと追いやっている。
事態を重く見た医療行政は、限界に達した現場の救援に乗り出さざるを得なくなった。搬送された患者のうち、入院を必要としない「軽症者」が半数近くを占めるという歪んだ構造が長年放置されてきたからだ。現場の救急隊員が疲弊し、真に一刻を争う重症患者への到着時間が遅延する深刻な問題が発生している。無料サービスとしての野放図な利用を制限し、持続可能なシステムへと再構築することは、もはや先送りが許されない至上命令なのだ。