『ふれあい』の誕生秘話を語る上で欠かせないのが、学園ドラマの金字塔『われら青春!』の劇中での扱われ方です。実は、同ドラマの公式な主題歌はいずみたくシンガーズが歌う『帰らざる日のために』であり、『ふれあい』はあくまで物語の途中で流れる劇中挿入歌という位置づけでした。
ドラマのプロデューサーや演出陣は、型破りな新米教師が落ちこぼれの生徒たちと心を通わせる重要な場面で、中村自身が生ギターを抱えて歌う演出を取り入れました。教室や河原の堤防で、ぶつかり合い傷ついた生徒たちに向けてポロポロと爪弾かれるアコースティックギターの音色と、飾り気のない中村の歌声は、視聴者の涙腺を激しく刺激しました。
放送回を重ねるごとに「あの先生が歌っている歌のタイトルは何か」「レコードはどこで買えるのか」という問い合わせがテレビ局やレコード会社に殺到。結果として、挿入歌であったはずの『ふれあい』が主題歌の知名度を凌駕し、日本中を包み込む社会現象へと発展していったのです。